だって美味しいんだもの

旅の記録や日々の備忘録。なかなかダイエットが続かない

インド人を写真へ

今年は本来であればイギリス旅行ができていたはずだった…

(そしておそらく来年も海外旅行は難しい)

と嘆いていても仕方がないので、私はこの数ヶ月”妄想旅行”を続けている。

写真を眺めるのもいいし、書籍や4travelなんかで旅行記を読むのもいい。一番好きなのは移動手段や時間まで細々としたスケジュールを立てる作業だ。旅行グッズを買いに行くのはさすがに虚しくなりそうで思いとどまった。

 

当初は行ったことのない土地に思いを馳せていたのだけど、過去に訪れた場所に別のアプローチで行くのも楽しいかもしれないと思い始めてからは整理も兼ねて昔撮った写真を見たりしている。

写真にはそれぞれエピソードがあり、ものによってはなぜ撮ったのかも思い出せないものもあるが、一生忘れないだろうと思っているものがある。この写真だ。

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「俺を撮ってくれ!」

フランクフルトの教会の前で出会ったインド人である。

2ヶ月ほどドイツのミュンヘンにいたことがあって、週末はユースホステルに泊まって国内観光を楽しんでいた。どちらかというと人との交流よりも博物館や美術館を巡ったり風景を写真におさめることが中心だったから、1リットルのジョッキ(ジョッキ?)でビールを飲んでいる私の姿を除けば唯一の単体人物写真だ。レアリティが高い。

たしかその時は教会の扉を撮っていた。重厚な扉かっけぇ〜と撮っていた。インド人はその扉から現れた。邪魔になるからと退こうとしたその時、インド訛りの英語で「俺の写真を撮ってくれ!撮るべきだ!」とまくし立てて来たのだ。その勢いに圧倒されて教会全体と一緒に写したら違うと言われリテイクした写真がこちらだ。実にいい表情。彼は握手して去っていった。

 

今なら価値観も変わっているから別な反応ができたかもしれないが、自分は写真を撮られるのがなんとなく恥ずかしい人間だったからこの「Please」とか「Would you?」とかじゃなく「Take」なところにまず驚いた。写真を撮られたがっている!?この人は有名人か何かなの?ボリウッドの映画もっと沢山観てからドイツへ来るべきだった?と大混乱したことを覚えている。

 

帰国後もこの写真を消さなかったのはなんとなく強烈な話のネタになりそうだったのと、もしかしたらもしかすると超有名人かもしれないから。

そして今ふと思い出して調べてみたのだが、

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調べようとしたらサジェストで出てきた

インド、皆そうなのかよ!!絶対有名人じゃないわあの人!( ゚д゚)

 

とはいえこの検索結果320万件全てがそうじゃないにせよ、ちらっと見ただけでも結構な人数が写真におさめている。そして皆楽しそうだ。写真を撮らせようとする人の中には悪意を持った人も少なからずいるわけで、どこか恐怖心もあったのだ。彼がそういう類でなかったことを握手した時に理解できればよかったなあと今更ながらに思う。次から声をかけられたら必ず”How do you say when you take a picture in your country?"ってコミュニケーションとってみよう。

 

ところでインドの人々はどうして写真が好きなのだろう。インドへ行けば分かるのだろうか。これはきっとオンライン通話とかで現地の人に聞いても実感がわかないことなんじゃないか。そもそもインドに知り合いがいないけど。またいつか行きたい場所が増えてしまった。

どうかはやく、安心して旅行ができる世界に戻りますように